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基礎


目次

1. 基礎の基礎
2. 簡単な練習曲
3. 音階練習
4. 複雑な調子の音階練習(#系)
5. 複雑な調子の音階練習(b系)
5.1. Bb調の音階
5.2. Eb調の音階
5.3. Ab調の音階
5.4 Db調の音階
5.5. Gb調の音階
5.6. Cb調の音階
6. 短音階
7. 半音階
8. その他の音階
9. リズム
10. 吹き練習
 

5. 複雑な調子の音階練習(b系)

 この章では、bの数が増える順番に音階練習を提示しておきます。 各調で、同じ曲「小さな日記」を課題曲として上げておきますので、実際にその調子の曲として練習すると理解しやすいでしょう。一度にこれら全部をこなそうとしても大変な努力が要るだけです。「初級」、「中級」、「上級」講座の練習曲の合間に必要に応じて該当する調子の音階練習をすることをお薦めします。
 b系の音階は、bの場所で半音下げるためにスライド・レバーのボタンを押すだけでなく隣の穴に移って、場合によっては吹き吸いを変える必要があります。ただし替え手を上手く利用することで滑らかの演奏を実施したり装飾音符を付けたりすることが簡単なため、上級者からは好まれます。好きになるためには、多くのb系の曲を練習してはやく楽譜に慣れることが重要です。
 なお、お手本の速さは前章同様、少し遅くしてあります。また、練習パターンも3章と同じですので不要な説明は省きました。
 メトロノームに合わせて音階練習する場合、下のテンポから選んでください。


4/4

4/4

4/4

3/4

3/4

3/4


5.1. Bb調の音階
 bが2個のBb調は、B音(シ)とE音(ミ)にbが付きます。F調の場合には、Bb音を作るためには左隣の穴に移ってA#音(ラ#)を吸えばよく吹き吸いの関係までは変わらなかったのですが、Bb調の場合にはそれに加えてEb音(ミb)で隣の穴に移りかつD#音(レ#)を吹くという吹き吸いの逆転が起こります。音階名(ド レ ミ ファ ソ ラ シ)で吹き吸いを判断している奏者にとってはこの吹き吸いの逆転は一種のパニックです。
 多くの初心者はこれを嫌ってb系の演奏をしたがらない傾向があります。一方、この逆転現象を乗り越えられた奏者にとってはb系の曲は装飾音を加えやすく、華麗な演奏ができる好ましい調子となります。
 Bb調は下の音階練習で見るとおり、吹く音はG音(ソ)とC音(ド)の2つだけです。それで息を吸うばかりの演奏になりがちで、それが滑らかな演奏につながることにもなるのですが、肺の中に空気が溜まりすぎて苦しくなることも多々あります。それで、曲次第ですが、F音(ファ)のときにE#音(ミ#)の替え手を使って吹く音を多くするような工夫をします。
 ところで、Ebの音を頭の中でどう処理しているかインターネットの掲示板でハーモニカ奏者達に問い合わせたことがあります。
@D#(レ#)と思って吸う。
AEb(ミb)と思って吸う。
B穴番号を思い浮かべて吸う。
Cbが少ないときはEb(ミb)と思うがbが多いときはD#(レ#)と思って吸う。
D何も思わないでEbを吸う。
いろいろな回答があったのには驚きました。人それぞれに別々の頭の動きをしているんですね。
Bb調というのはC調より1音低い調子です。つまりbを2個増やすと1音低くなるのですね。
さて、人は頭の中でどのように楽譜を読んでいるのでしょうか。他の人の頭の中を窺い知ることはできないので、自分の方法を紹介することしかできません。
 私の場合には音符をドレミファの階名で読んでいます。たとえば「ふるさと」の曲ですと、曲の進行にしたがって頭の中では
 ドードードーレーーミレーミーミーファーソーーーンー
と階名の列が進行していきます。そして、ドミソは吹く、レファラシは吸うという吹き吸いの関係が頭に刻まれていますので、階名を読み下すことが自動的に吹き吸いに連携しています。
 ではbや#が付く音の場合、どうでしょう。私の場合は、Bbはア、Ebはエのように、ラやレに近い1音節の音で置き換えて読んでいます。たとえば下のBb調の音階は
 ア ド レ エ ファ ソ ラ ア ド ア ラ ソ ファ エ レ ド アーーー
と読んでいます。他の音の読み換えも含めて紹介しておきますと、
 C#=Db=ドゥオ
 D#=Eb=
 E#=F=ファ
 F#=Gb=
 G#=Ab=
 A#=Bb=
といった感じです。発音が似ているので、吹き吸いが混乱しないですむ利点があります。
 このような話をいろんな奏者と交わしていると、発音は違うらしいのですがやはり別の音に置き換えて読むという方がいらっしゃいました。したがって、私一人だけの方法ではないのだなと心強く感じました。
 別の方の意見では、音符と穴番号が頭の中で結び付いているということです。詳しく話したわけでないのでよくわからないのですが、穴番号で吹く場所は特定できたとして、吹き吸い情報は頭でどう処理されているのでしょうか。また、高音部は11(ジュウイチ)、12(ジュウニ)といった多音節になるので思い浮かべにくいし、オクターブ違いの音に別の穴番号が付いている(5番のドのオクターブ上は9番)といった具合に「8va上」といった指示が処理しにくいように思うのですがどうなのでしょう。
 他の楽器では音と指の形が結びついていたりするので、階名で読み下すこと自体が必要ないのかも知れません。バイオリン奏者が速いフレーズを弾くときにいちいち階名で読んでいるはずがありませんね。
 また、ピアノやギターのような和音を弾く楽器は個々の音を読み下すのではなくて、和音を見ると指の位置と形が決まるようで、メロディ楽器の場合とはまた違うのでしょう。
 さて、皆さんは頭の中でどのように処理することでしょうか。掲示板で議論してみたいですね。


Bb音(シb)から開始
C音(ド)から開始
D音(レ)から開始
Eb音(ミb)から開始
F音(ファ)から開始
G音(ソ)から開始
A音(ラ)から開始



Bb音(シb)から開始
C音(ド)から開始
D音(レ)から開始
Eb音(ミb)から開始
F音(ファ)から開始
G音(ソ)から開始
A音(ラ)から開始


5.2. Eb調の音階
 bが3個のEb調は、B音(シ)、E音(ミ)、A音(ラ)にbが付きます。Eb音(ミb)と同様、Ab音(ラb)もG#音(ソ#)を吹きますので、隣の穴でかつ吹き吸いの逆転があります。十分慣れてください。Ab音(ラb)はその下のG音(ソ)からの装飾音が可能です。


Eb音(ミb)から開始
F音(ファ)から開始
G音(ソ)から開始
Ab音(ラb)から開始
Bb音(シb)から開始
C音(ド)から開始
D音(レ)から開始



Eb音(ミb)から開始
F音(ファ)から開始
G音(ソ)から開始
Ab音(ラb)から開始
Bb音(シb)から開始
C音(ド)から開始
D音(レ)から開始


5.3. Ab調の音階
 bが4個のAb調は、B音(シ)、E音(ミ)、A音(ラ)、D音(レ)にbが付きます。Eb音(ミb)、Ab音(ラb)に加え、Db音(レb)でも吹き吸いの逆転が起こります。替え手をうまく使うと、G音(ソ)だけボタンを戻し、あとはすべてボタンを押して吹くという吹き方ができます。
 ほとんどボタンを押して吹けるということは、ボタンを戻した半音下からの装飾音を付けやすいということでもあり、ジャズ奏者に好まれます。FIHのグランプリを取ったアメリカの方が、近親短調であるFm調でアドリブされていて、あとで話を聞きに行ったとき、「Fmだからとても簡単なんですよ。」とおっしゃっていたのを思い出します。


Ab音(ラb)から開始
Bb音(シb)から開始
C音(ド)から開始
Db音(レb)から開始
Eb音(ミb)から開始
F音(ファ)から開始
G音(ソ)から開始



Ab音(ラb)から開始
Bb音(シb)から開始
C音(ド)から開始
Db音(レb)から開始
Eb音(ミb)から開始
F音(ファ)から開始
G音(ソ)から開始


5.4. Db調の音階
 bが5個のDb調は、B音(シ)、E音(ミ)、A音(ラ)、D音(レ)、G音(ソ)にbが付きます。Eb音(ミb)、Ab音(ラb)、Db音(レb)に加え、Gb音(ソb)でも吹き吸いの逆転が起こります。さて、F音(ファ)でE#音(ミ#)の替え手、C音(ド)でB#(シb)の替え手を使うと、すべての音をボタンを押したまま吹けることになります。Db調は#が7個のC#調と同じですから納得できると思います。
 ボタンを押したままで吹けばこの調子は演奏が楽であり、かつすべての音について半音下の音から装飾音符が付けやすいため、C#調のところでも述べましたが、ハーモニカの名編曲ではよく使われます。また、クラシック系では#7個より調子記号の少ないb5個として書かれることが多いですから、吹き吸いの逆転現象が多くてもDb調の楽譜を読めるようにしておくことが必要です。
bを5個付ける代わりに#を7個付けてもDb調ができます。Db調というのはC調より半音高い調子です。つまり、半音高い調子にしたければ、bを5個付けるかまたは#を7個付けるとよいのです。
ここで#とbの算数ができます。#とbはお互いに相殺し合います。例えば#2個のD調を半音高くしたければ、(#2個+b5個=b3個)となりEb調が導き出されます。(#2個+#7個=#9個)ですが#7個とb5個は等しいので置き換えをするとやはり(#2個+b5個=b3個)となります。



Db音(レb)から開始
Eb音(ミb)から開始
F音(ファ)から開始
Gb音(ソb)から開始
Ab音(ラb)から開始
Bb音(シb)から開始
C音(ド)から開始



Db音(レb)から開始
Eb音(ミb)から開始
F音(ファ)から開始
Gb音(ソb)から開始
Ab音(ラb)から開始
Bb音(シb)から開始
C音(ド)から開始


5.5. Gb調の音階
 bが6個のGb調は、B音(シ)、E音(ミ)、A音(ラ)、D音(レ)、G音(ソ)、C音(ド)にbが付きます。ここで、C音(ド)にbが付くということはB音(シ)になってしまうことに注意してください。Db調に較べて、B音(シ)でボタンを戻す必要があります。演奏的には1ヶ所だけのボタンの戻しですから難しくありませんがCbという読みにくい音が出てくるところが若干混乱を招きます。
 なお、Gb調というのは#6個のF#調と同じになります。実際の楽譜でも、#で書かれたものとbで書かれたものは半々くらいですので、どちらの読み方もできるようにしましょう。



Gb(ソb)から開始
Ab音(ラb)から開始
Bb音(シb)から開始
Cb(ドb)、B音(シ)から開始
Db音(レb)から開始
Eb音(ミb)から開始
F音(ファ)から開始



Gb(ソb)から開始
Ab音(ラb)から開始
Bb音(シb)から開始
Cb(ドb)、B音(シ)から開始
Db音(レb)から開始
Eb音(ミb)から開始
F音(ファ)から開始


5.6. Cb調の音階
 クロマチック・ハーモニカの特性として#が7個のC#調はよく現れますが、bが7個のCb調が現れることはなく、より調子記号が少ない#が5個のB調として表現されます。したがってCb調の音階はここには提示しません。






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